園庭東側の端に池を作り、四季を通じて水のある自然を作りだしています。池と子どものふれ合いの場は多く、春はおたまじゃくし取り。夏は池遊び。秋はとんぼとり。冬は氷遊び。などなど1年中を通して水と親しむ機会が多いのです。また、池のまわりの木々も新緑や紅葉の季節には風景に彩りを添えてくれます。  
  園庭の隅や周辺、裏庭などに雑草がはえますが、雑草も子どもの遊びの素材となるので、大切にしています。秋は山ごぼうが実をつけます。子どもたちは紫のやまごぼうの実を取って、色水遊びや染色遊びに夢中になります。朝顔の花も色水遊びの素材です。じゅず玉も首飾りとして利用されます。草むらにはこおろぎやかまきりが発生し、虫取りも子どもの興味をひきます。柔らかい土のあちらこちらを掘り返し、だんご虫やみみずを捕まえて喜ぶ。これが子どもの本当の姿です。幼稚園はただきれいに整然と整っていればよいというものではありません。大人の美観で子どもの多様な興味や関心を妨げてはいけません。
わかばの森幼稚園は遊具も環境づくりも子どもの本性を伸ばすために、子ども中心に配慮されています。
 
  現在、ちゃぼ5羽、うさぎ5匹、やぎ1頭、小鳥9羽が飼育されています。これらの動物は大人の手によって鑑賞用に飼育しているのではなく、こどもたちの仲間として5歳児が飼育を担当し、一切の世話をしています。餌をあげ、小屋の掃除や糞の始末もします。産んだ卵は雛にかえしたり、あるいはホットケーキなど、子どもの手によってみんなで食べることにしています。クラスでもそれぞれがざりがにや小鳥や虫などの小動物を飼育しています。動物の生や死の現実とも対面し、喜びや悲しみの情緒も体験します。幼児期における動物とのふれ合いは幼児教育の中でも大事な要素だと思います。  
  「わかばの森」の中の一角に子どもたちの畑があります。種まきから収穫まで子どもの手で行なっています。土を耕し、種をまき、苗を植え、水をやり、草をむしる。重いバケツで水を運ぶのも子どもにとってはひと苦労ですが、それ以上に育てる喜びを味わえます。なす、きゅうり、トマト、赤かぶ、小松菜、大根、さつまいもなど、色々なものを栽培しています。収穫したものはうさぎやちゃぼのえさになったり、味噌汁・サラダなど子どもたちの手によって調理され、楽しい会食の材料となります。春から秋までの畑づくりを通して、手を汚し、汗を流すことの大切さ、労働の原点を子どもなりに身につけることも大事にしています。さつまいも掘りなどは、苦労して育てたので、過程がよくわかっていいのです。育てる過程をとばして掘るだけのいも掘りだったら、それは結果主義となります。結果だけの教育は好ましいとは思えません。からだを通した体験と、途中のプロセスを理解する学習が畑づくりの中で養われます。  
  子どもが自然の中で遊ぶ姿は、最近あまり見られなくなりましたし、そのような環境も少なくなりました。そこで本園では1500坪ほどの山林を確保し、子どものための遊びの広場としました。園庭の道を隔てたすぐ前にあり、「わかばの森」と名づけています。小高い山や谷もあり、ならやくぬぎの大木もはえています。木登りや冒険的な遊びもふんだんにできる山林です。かぶと虫やくわがたなどの昆虫をとったり、秋はどんぐり拾いや落葉拾いなど、森での遊びがたくさんできるようにしています。野いちごやぐみ、桑の実、柿の木などもたくさん植え、自然の中での豊かな遊びを経験させたいと思っています。
テレビや漫画だけで育つ子ではなく、せめて幼稚園の生活だけでもいいから、自然とのふれ合いを通して、生き生きと伸び伸びと、そして逞しく育ってほしいと願って、わかばの森幼稚園の保育は営まれているのです。