この幼稚園は自由保育の幼稚園と聞きましたが。
どのような内容をさして自由保育と呼ぶかというのは難しい問題ですが、朝登園してから降園するまでまったく子どもの好きなようにさせておくことが自由保育だとお考えならば、この幼稚園は自由保育の幼稚園ではないと言うしかありません。食事や帰りの会はみんなでそろって行なっていますし、クラスのみんなで一緒に活動することもあります。ただし、自由活動の時間(それぞれの子どもが自分のやりたい遊びを十分に遊びこむ時間)を一番重要視し、その時間を十分に保障するように努めている幼稚園だとは言えると思います。
この幼稚園では自由活動が中心のようですが、クラスの子ども全員で絵を描いたり、何かを作ったり、歌を歌ったりというような、一斉形態の保育はまったくしていないのですか。
一斉形態の保育をまったく否定しているわけではありません。場合によっては一斉のほうが目的が達成しやすい場合もあります。しかし、学校のようにタイムスケジュールを作って、子どもの興味や関心に関係なく、一斉の内容をボンボンとうめていくようなことはしていません。自由活動を基本にしながら、一斉の活動が必要な場合には、子どもたちの負担にならないように配慮しながら一斉の活動を入れています。
この幼稚園では文字や数字は教えていないとお聞きしましたが。
一人一人の子どもの違いを考慮せず、興味や関心に関係なく、学校の授業のような形態で一斉にワークブックなどを使って文字や数字を教えこむというようなことはしていません。だからといって文字や数字に関心を示した子の意欲を押しつぶすようなことはもちろんしていませんし、必要な場合は保育者が援助をしています。また、遊びの中で文字や数字に対する興味や関心を喚起するよう配慮しています。幼児期の本当の知識は遊びの中で養われるものです。
自由活動中心の保育で、確かに意欲的な子どもに育つとは思いますが、話が聞けず、じっとしていることのできない、落ちつかない子どもに育ってしまうのではないでしようか。
そんなことはありません。やりたい遊びを十分に遊びこんでエネルギーを発散させた子どもは、心穏やかに人の話を聞けるものです。逆に、やりたい遊びを十分にさせてもらえないと落ち着きがなくなるものです。私たちは人の話をしっかり聞けることは大切な生きていく力だと思って、毎日の保育に取り組んでいます。心配でしたら、帰りの会で担任の先生の話を聞く子どもたちの様子を見ていただければ、安心していただけると思います。
この幼稚園は元気のいい男の子には向いていると思いますが、おとなしめの女の子には向かないのではないでしようか。
幼児期に培っておくべき力(これからさき生きていく上で、根っことなる力)に元気のいい子もおとなしい子も、男の子も女の子もないと思います。むしろおとなしめの女の子にこそ、自由活動中心の保育でたくましく生きていく力を身につけていってほしいと思います。
この幼稚園ではお弁当や給食はどうなっているのですか。
自園給食で毎日、全員が給食です。アレルギーのあるお子さまについては、相談の上、除去食対応ができます。温かいものを温かいうちに食べる、お茶碗を持って食べる習慣、嫌いなものでもお友だちと同じものを食べることによって少しでも食べられるきっかけになってくれるなど食育に繋がっていきます。